ONE PIECE RED
【レビュー】ONE PIECE RED

25年の連載が続くONE PIECEの劇場版、赤髪シャンクスの娘「ウタ」の野望を巡るストーリー展開。麦わらの一味や赤髪海賊団のみならず、世界政府や海軍本部、ビッグママ海賊団(一部)まで巻き込んだ壮大な駆け引きと人の信頼の絆を楽しめる作品。
プスタポンテプロフィール画像
38年間のサラリーマン経験のある年金生活者(シニア) 転勤族ゆえ単身赴任歴は約20年、会社は3社を経験。映画をよく見るようになったのは母親の影響もあり、小学生の頃。九州生まれ、関西在住のA型山羊座、干支は亥です。
見どころ

25年の連載が続くONE PIECEの劇場版、赤髪シャンクスの娘「ウタ」の野望を巡るストーリー展開。麦わらの一味や赤髪海賊団のみならず、世界政府や海軍本部、ビッグママ海賊団(一部)まで巻き込んだ壮大な駆け引きと人の信頼の絆を楽しめる作品。

主な出演者

ウタ、麦わらの一味、赤髪海賊団、ロー、バトルロメオ、コビー等々

評価

★★★★☆

感想

まず、この映画を観るに当たって事前にレビューを見ると、賛否両論でした。特にコアなONE PIECEファンからの酷評が目立ち、見るに値しない、Adoのコンサートを聴きに行くようなもの・・・というものが多く、長年のONE PIECEファンの自分も心して観に行った訳ですが、良い意味で裏切られました。歌が多い、長いといった批判もありましたが、それぞれの歌には、ストーリーに連動した意味があり、Adoの歌唱力もすごいことから、この批判は的違いと感じました。世界一の歌姫「ウタ」が主人公のEpisodeウタであることから、このような展開になることは、ごく自然だと思います。

もう一つの大きな批判は、タイトルにREDがつきながらシャンクスの出番が少なすぎるといったもの。シャンクスは家族である娘を守るために駆けつけて、言葉は少ないながら、観る者に大きな感動を与えています。最後の戦闘が終わった後のルフィーとシャンクスとの絡みはもう少し観たいと思いましたが、ここは今後の展開に期待すれば良い訳で、世間の酷評は私にはピンときませんでした。

ONE PIECEは壮大なストーリーで、過去のエピソードに伏線があり、それが現在につながったり、大きな意味を持っていたりして、読者を驚かせたり、感心させたりする連続です。今回のウタのエピソードは、今までに伏線がなく、降って湧いてきたようなストーリーですが、シャンクスの出生・人と成りやルフィーとウタとの出会い、この映画の舞台となっている音楽の島エレジア壊滅の真実も分かり、違った感動や驚きを感じることも出来ます。また、エンドロールでは、ウタが歌う「風のゆくえ」をバックに、世界中に散らばるONE PIECEでお馴染みのキャラクターがウタの音楽を楽しんでいる様子も描写され、このシーンは、とても懐かしく思えます。人の感じ方は千差万別ですが、私は期待を裏切らない名作の一つだと感じました。

あらすじ(ネタバレあり)

世界で最も愛されている歌手「ウタ」が、初めてライブを開催するところから始まる。場所は音楽の島エレジア、麦わらの一味も会場に勢揃い、一方、この会場には熱狂的なファン以外にウタを金づるとして誘拐しようとする海賊団や海軍のコビーに加えて世界政府のエージェントも潜んでいるといった、きな臭いメンバーも勢揃いしています。

ウタの熱唱が終わり、ルフィーがウタに近づき、話しかけると、ウタがルフィーであることに気付く。ルフィーがウタと知り合いであったことに驚く麦わらの一味をよそにウタがシャンクスの娘であることを世間にばらしてしまうルフィー。

ウタは「ウタウタの実」の能力者であり、ウタの歌を聴いた人々を仮想世界「ウタワールド」に導き、過酷な現実から逃避できる世界で一生楽しく暮らすことができるという能力の持ち主。大海賊時代の終焉とともにウタの歌によって全人類を幸福にするといった壮大な計画を実行する企み。ウタワールドは仮想空間であることから、ウタワールドでは行動できるものの、現実の世界の自分は眠り続けるといった少し歪んだ楽園であり、世界の人口の7割をこの世界に引き込む結果が予想されることから、海軍や世界政府も危険視しています。

ウタはルフィーや麦わらの一味にも海賊をやめて、自分と一緒にウタワールドで暮らすことを強要し、従わないと分かると、行動出来ないように五線譜に貼り付けて拘束してしまいます。この状況からは、ロビンの機転で脱出することは出来たものの、ウタワールドからの脱出は、ウタワールドの中にいる者には一切出来ないことも分かり、唯一の方法に賭けることになります。

ウタは「ウタウタの実」の能力者であることから魔王・トットムジカを蘇らせる力を持っていました。トットムジカは一夜でエレジアを壊滅させた魔王ですが、その魔王の復活が現実世界とウタワールドをつなぐ道を作ることから、ウタワールドに閉じ込められた全員が脱出するための唯一のチャンスであることが分かりました。一方、魔王の復活後に現実の世界とウタワールドから同時に魔王を攻撃するといった難易度の高い作戦を成功させることが唯一の脱出方法でした。

この作戦の立役者は、全体の陣頭指揮を執って適材適所にメンバーを配置した海軍大佐コビー、同時に攻撃する箇所を特定したヤソップ・イソップ親子の連携、ルフィーとシャンクスのシンクロする強力な攻撃に加えて、いつもは敵対する海賊、海軍との協力でした。しかし、この攻撃だけでは、人々は蘇らず、ウタは最後の力を使って「世界のつづき」を歌い、自らの歌声によって、みんなを元通りにします。

ウタを危険分子と見なしている海軍は、ウタを抹殺しようとしますが、シャンクスはウタを「俺の娘だ。」とすごみ、強大な覇王色の覇気を発しました。中将まで気を失う衝撃で、大将の黄猿・藤虎も攻撃を諦めることになります。ウタは意識の戻っていないルフィーに対して麦わら帽子が似合う人間になるように話しかけます。これはシャンクスのような新時代を開く海賊になることへの期待を示しているように感じました。

サニー号の上で気がついたルフィーは、赤髪海賊団の船が去っていく姿を見つけますが、そこにウタの姿はなく、命尽きたのか・・・と思うものの、ここは観る人の想像に任せて良いと思います。血のつながっていない親子ながら強い絆で結ばれているシャンクスとウタ、幼なじみを決して傷つけないルフィーの優しさ、ルフィーのシャンクスへの信頼、敵対する組織の協業等、見どころは満載ですし、シャンクスのかっこよさは極めつけでタイトルのREDにふさわしい映画になっています。

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